論文を印刷して製本する方法とは?費用を安くするポイントも解説

論文を印刷して製本する必要があるものの、具体的な方法がわからない人や、安くする方法を知りたい人もいるのではないでしょうか。

自分で印刷して製本まですると安価で済みますが、とてつもない手間がかかり、手先の器用さも問われます。一方で、専門業者に依頼する場合、コストの削減は工夫次第で可能なのです。

この記事では、論文を印刷して製本するまでの手順や、費用を安くするコツ、業者の選び方を紹介します。論文の印刷を早く安く美しく仕上げたい人は、ぜひ参考にしてください。

論文を印刷して製本する方法

複数の工程を経て冊子は完成します。したがって、論文を印刷して製本をする際にも、さまざまな選択をすることが必要です。

たとえばモノクロで印刷するなら、それに適した用紙を選ぶとよいでしょう。製本においても、厚手の表紙にして図鑑のように仕上げるか、もしくは文庫本のような軽量の冊子にすることも可能です。

まずは専門業者に依頼することを前提として、印刷の基礎知識を解説していきます。

原稿を作成する

原稿のデータは、論文の本文のみでなく、表紙や背表紙の分も準備しましょう。保存データの形式は、印刷会社の指定に従うと料金が割安になります。

原稿を作成する際は、製本や印刷を意識しながら余白を残してください。表紙の余白は上下左右に1cmずつ、本文には1.5〜2cmを確保すると、文字が切れることを防げます。

製本する際の綴じ方を決める

製本の方式は大別すると2種類あります。大学や研究室によっては、製本方法の指定があるかもしれないので、確認を怠らないでください。

まずは割安かつ短期間で仕上がる製本、次に高品質で耐久性の高い方法についてお伝えします。

くるみ製本

くるみ製本とは、本文用紙を折り重ねて厚紙でくるみ、背の部分を接着剤で固定する方式です。文庫本をイメージしていただくと、わかりやすいのではないでしょうか。

くるみ製本は、安価なわりにしっかりと製本できる方法です。大量のページ数にも対応できて、背表紙を作ることもできます。ただし、これから紹介する上製本と比較すると耐久性は欠けるでしょう。

上製本

上製本とは、段ボールのような厚紙を表紙にして、さらに見返しの部分にも加工をする方式です。辞書や図鑑のような重厚感のある冊子が該当します。

くるみ製本よりも頑丈で高級感がありますが、より高額になります。また、製本の工程が複雑になるため、納期が伸びることを想定しておいてください。

表紙と本文に使用する紙を決める

製本の方式を決めた時点で、使用できる紙の選択肢も絞られてきます。

たとえば上製本にするなら、表紙は厚手で固い紙を使うことになるでしょう。くるみ製本にする場合は、本文よりも倍以上の厚手の紙を表紙にすると、めくりやすくなります。

ここからは、論文の製本に向いている用紙をピックアップして、それらの特徴もお伝えします。

表紙はレザック紙が人気

並製本の表紙はわりと選択肢が多い部類です。論文の伝統的な表紙といえば、やはりレザック紙ではないでしょうか。

レザック紙は革のような風合いで、カラーバリエーションも豊富です。シンプルにタイトルを印刷しただけでも高級感が生まれ、冊子の耐久性も向上します。

本文は上質紙を使うのが一般的

論文の本文部分は、上質紙が最もよく選ばれています。安価な部類で、文字を書き込みやすいという性質もあるため、論文の印刷に適しているといえるでしょう。

淡いクリーム色の書籍用紙も、論文の本文用紙の定番です。上質紙と比較すると、文字と紙の色のコントラストが強すぎないため、目が疲れにくいとされています。

もしカラー印刷部分を鮮明に表示したいなら、コート紙やマットコート紙を選ぶことも検討しましょう。写真の印刷にも耐え得るほどですが、上質紙よりも値段は高くなります。

論文データを印刷会社に入稿する

製本の方式を選択し、原稿に余白の設定をしたら、印刷会社へデータを送付してください。印刷会社は、受領したデータを印刷機仕様のデータへと変換します。

画像の解像度やフォントの崩れなどがチェックされ、問題があれば印刷前に指摘されるでしょう。

論文の印刷と製本を安くするポイント

論文を自分で印刷し製本するなら、業者に依頼するよりも安くなる可能性はあります。印刷する量によっては、即日で製本まで完成する場合も。

一方で、業者に依頼する場合でもコツさえつかめば、費用を大幅に削減することができます。追加料金を請求されるケースも知っておくと、想定外の出費を避けられるでしょう。

それでは、論文の印刷と製本を安くするための具体策を紹介します。

自分で印刷や製本をする

論文の印刷や製本を安くするために、自分でできることをやる人はいます。どこまで自力で行うかは、下記の2パターンが考えられます。

・印刷は自分でやって、製本を業者に依頼する
・印刷は自力で、製本もキットを使って自分で解決する

手先の器用な人ならば、見栄えの悪くない製本ができるようです。ただし、手間や時間がかかることは覚悟しておいてください。

業者指定の方式でデータ作成する

入稿されたデータに手直しの必要がなければ、データを変換する料金が最安になります。 逆に、手直しが増えるほど費用もかさむと認識してください。

業者がPDFでの入稿を推奨していたり、余白を指定しているなら、従うほど印刷代も節約できます。

納期に余裕を持ち繁忙期を避ける

論文の印刷にかかる日数は、データ入稿から最短で3日から、長くても10日が目安とされています。納期に余裕を持って発注をすると、単価が割り引かれることもあるようです。

しかし、印刷会社への注文が殺到する時期は、希望する日程での予約が取りにくくなります。追加料金で特急仕上げをする業者もありますが、割高になることは避けられません。

予算に限りがあるなら、なおさら納期に余裕を持たせることをおすすめします。

論文を印刷する専門業者の選び方

論文の印刷を専門業者に依頼すると、確実に手間を省くことができます。すべてお任せで、丸投げすら可能なほどです。

さらに、匠の仕上がりで圧倒的に綺麗な冊子になったり、仕様について細やかな注文を出せたりと、メリットはたくさん挙げられます。

ここからは、成功する印刷会社選びのポイントをお伝えしましょう。

納期と部数に対応している

論文を執筆している時点では、いつ完了するか、確実な予測はできないかもしれません。しかし、論文の締切間際は予約が混み合う傾向にあります。

製本された論文を希望日までに受け取るには、前もっての予約が確実です。予約を取るのが遅くなった場合は、迅速な仕上がりを優先して、業者を選ぶとよいでしょう。

また、印刷物の最小発行部数が設定されているケースも珍しくありません。想定している部数を印刷できるか、部数やスケジュールによる追加料金についても、事前に確認してください。

両面印刷やカラー印刷に対応しているか確認する

冊子の印刷は両面がスタンダードですが、論文印刷は片面を指定されることも珍しくありません。したがって、提出先の規定と印刷会社の設備の両方をチェックしてください。

モノクロ印刷は、カラー印刷よりも低価格になるのが一般的です。しかし、論文によっては、カラーの図表を挿入することもあるでしょう。

数点の図表のためにすべてをカラー印刷にするか、はたまたカラーとモノクロ印刷を混ぜる、両方に対応している印刷会社もあります。

論文のオプション加工ができる

製本した論文の耐久性を高めたかったり、装丁に凝りたかったりするなら、オプション加工はいかがでしょう。

たとえばPP加工とは、透明なフィルムを表紙に貼る加工です。この加工を表紙に施すと、光沢が増して見栄えがよくなり、さらに用紙を補強する効果もあります。

ページ数が多い冊子なら、章ごとにカラーの扉ページを入れると、検索しやすくなるでしょう。ぺージ番号をふるインデックス加工も、より扱いやすくなるのでおすすめです。

なお、オプション加工には追加料金がかかり、納期が伸びることも懸念されます。印刷会社によってサービス内容も費用も異なるため、入念な打ち合わせをしてください。

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まとめ

論文の印刷と製本は、割安で短期間に作成するならくるみ製本、耐久性を高め重厚に仕上げるなら上製本が適しています。

専門業者に依頼をする場合、費用を抑えるポイントは、まずデータの手直しを減らすことです。業者の推奨するデータ形式で入稿し、レイアウトの修正を減らすほど安価になるでしょう。

追加料金の発生を防ぐには、納期に余裕を持って発注することをおすすめします。論文の印刷と製本に必要な日数は、入稿から3日から10日が目安ですが、繁忙期は予約が取れない恐れもあるのです。

論文の印刷と製本の実績がある業者は、さまざまな選択肢から顧客のニーズに合う提案をします。まずはアドバイスを求めてみてはいかがでしょうか。