学会誌を出版する方法は?具体的な手続きや費用を解説

学会員の研究論文を出版したいと考えるものの、具体的な方法や、費用を抑える方法がわからない人もいるのではないでしょうか。学会誌の出版は出版社に委託せず、学会が直接出版するのがおすすめです。

出版社に委託すると出版に関する作業を一任できますが、出版権を渡さなければならず、印税以外の売り上げを取られたり、学会誌に掲載した論文の転載に制限がかかったりしてしまいます。

この記事では、学会誌を印刷して出版するまでの手順や費用を安くするためのコツ、印刷業者の選び方を紹介します。学会誌の出版費用を抑えたい人や出版権を委託会社に取られたくない人はぜひ参考にしてください。

学会誌を出版する2つの方法

学会誌を出版する方法は2つあります。1つ目は出版社へ委託する方法、もう1つは学会から直接出版する方法です。

ここからは、学会誌を出版する2つの方法のメリット・デメリットを見ていきましょう。

出版社へ委託する

出版社へ委託する方法を選択すると、出版にかかる費用や手間を一任できます。出版社は学会誌刊行の実績があり、出版のためのノウハウを既に持っているからです。

出版のための査読などの編集作業はもちろんのこと、必要な書籍コードの取得から学会誌の販売まで任せられます。

しかしメリットばかりではありません。学会は出版社に学会誌を一任する代わりに「出版権」を渡すことになるからです。

出版権を渡してしまうと、売り上げは著作権者に支払う印税以外、全て出版社のものになります。もし、学会誌の売り上げが好調で収益を得ても、学会には印税しか入りません。

また委託した学会誌に記載した論文を自由に転載できなくなるのもデメリットの1つです。

たとえば、委託した学会誌の論文を他の書籍に転載したい場合、著作権の許可だけでなく、出版社への許可も必要になります。さらに出版社との契約内容によっては、赤字になった場合その費用を負担しなければならないこともあるかもしれません。

出版社に委託するときは、契約内容の確認をしっかりと行わないと学会ばかりが損をする可能性があります。

学会から直接出版する

学会誌を出版するもう1つの方法は、学会から直接出版する方法です。学会から直接出版すると出版権は学会が持ちます。そのため、発行部数や出版後の論文の転載などを学会で自由にコントロール可能です。

出版後、学会誌が黒字になった場合の売り上げは、全て学会へいくことになるため、財政状況も潤うでしょう。財政状況が潤えば、学会の研究費用に回すことができ、世紀の大発見に繋がるものが見つかるかもしれません。

一方、学会誌を直接出版すると、出版にかかる費用や手間をすべて学会が請け負うことになります。学会誌の発行部数やボリュームによっては、出版に高額な費用がかかることもあるため、注意が必要です。

また、学会の研究者は研究に忙しいため、編集作業に時間がかかると刊行頻度が落ちてしまうというデメリットもあります。

しかしながら、出版にかかる作業を学会が全て請け負う必要はありません。学会誌の出版に必要な作業の一部は、「学会誌刊行センター」や印刷会社など外部に委託することも可能です。

学会誌を直接出版する手順

学会の規模や財政状況にもよりますが、学会誌を出版するならば、直接出版するのがよいでしょう。なぜなら、出版にかかる作業の一部は民間業者に委託できるからです。

また出版にかかる作業は慣れるまでは大変ですが、一度経験してしまえばあとは繰り返すだけなので、定期刊行も負担なくできるでしょう。ここからは、学会誌を直接出版する手順をご紹介します。

学会誌の原稿作成

まずは学会誌の原稿を作成します。この原稿の作成作業の全てを外部に委託するのは難しいでしょう。

40年の実績がある一般社団法人「学会誌刊行センター」では、学会誌の刊行をサポートしています。投稿原稿見本の作成から編集、電子版の作成まで学会誌刊行作業のノウハウを持っているため、不明点があるときは利用してみるとよいでしょう。

印刷会社の決定

学会誌の原稿を作成したら、学会誌を製本する印刷会社を選びます。

学会誌のコストを下げるため、安い印刷会社を選んでしまいがちですが、手間を減らしたいのであれば、サービス内容を確認しましょう。なぜなら、印刷会社によってサービスが大きく異なるからです。

印刷会社の中には、学会誌を専門に製本しているところもあり、編集や構成、査読を一任できます

流通の手続き

学会誌を書店で販売したり、国立国会図書館に納品したりするには、出版コードの取得が必要です。

出版に必要なコードとコード発行機関、有効期間を確認しておきましょう。

出版に必要なコードコードを発行する機関コードの有効期間
定期刊行物(雑誌)コード流通システム管理センター3年間
雑誌コード雑誌コード管理センター登録後翌月1日~3年間
ISBNコード
(世界共通で書籍を識別するコード)
日本図書コード管理センター3年間
ISSNコード
(雑誌を識別する図書コード)
ISSN日本センター期限なし

出版に必要なコードを取得しただけでは、学会誌を売ることはできません。

販売ルートを確保するには主に2つの方法があります。書店と直接契約する方法と出版取次会社と契約する方法です。

出版取次会社を利用すると、取次が既に契約をしている全国の加盟書店に学会誌が並びます。学会誌の認知度向上や販売数の増加が期待できますが、売り上げの一部を負担しなければならず、学会誌も一定数以上必要です。

書店と直接契約する場合も売り上げを一部支払う必要があります。ただ、契約数は限られるため発行に必要なコストを抑えることが可能です。

学会誌の出版にかかる費用項目

学会誌の出版にかかる費用は、発行部数やジャンル、ボリュームによって価格が大きく異なります。そのため、相場を想定するのは難しいのが現状です。

ここでは学会誌の出版にかかる費用項目とその内容を見てみましょう。

費用項目内容
原稿執筆執筆料学会外の専門家に寄稿を依頼する場合、必要となることがある。逆に学会員より論文掲載料を徴収することもある。
編集学会誌の査読やレイアウトを外部に委託する場合にかかる費用。
印刷・製本代学会誌の印刷や製本にかかる費用。部数によっては高額になることもある。
納品・配送代学会員へ学会誌を郵送するのにかかる費用。その他、書店と販売契約したときに必要な発送費用も含む。

上記以外にも出版には、出版コードの取得が必要です。出版コードの費用は一律なため、ここで確認しておきましょう。

出版に必要なコードコードを発行する機関費用
定期刊行物(雑誌)コード流通システム管理センター10,000円~(3年間有効)
雑誌コード雑誌コード管理センター2,858円
ISBNコード日本図書コード管理センター新規登録料 7,250 円+税
国際本部運営資金 750 円+税
ISSNコードISSN日本センター無料

学会誌を印刷する専門業者の選び方

学会誌の印刷だけならば、ネットプリントなど格安の印刷会社でも依頼できます。

しかしながら、学会誌に掲載されている論文の中にはグラフや表・図などが掲載されていることもあり、原稿そのままで印刷すると、論文が見辛くなってしまうこともあるでしょう。

学会誌を印刷する会社を選ぶときには、学会誌の実績があり編集作業も依頼できる専門業者がおすすめです。ここからは、学会誌の刊行をスムーズに進められる専門業者の選び方をご紹介します。

学会誌の印刷実績が豊富である

学会誌を出版したいのであれば、学会誌の印刷実績が豊富な業者を選びましょう。学会誌の印刷実績が豊富な会社であれば、誤字脱字はもちろんのこと、データや表現の不備を印刷前に見つけて指摘してもらえるからです。

学会誌の印刷は他の商業雑誌と異なり、デザイン性を重視していない代わりに内容の間違いに関しては非常にシビア。印刷後に間違いが見つかってしまうと、再印刷をすることも少なくありません

印刷のみの安い会社に依頼しても、何度も印刷すれば結果的にコストが上がってしまうでしょう。学会誌の印刷を専門にしている会社なら、査読や編集など学会員の負担を軽減し、再印刷を防止するサービスも用意されています

学会誌の査読や編集サービスがある

学会誌を出版したいのであれば、学会誌の査読や編集サービスがある業者を選びましょう。学会員は日々の研究で忙しいため、学会誌の編集に時間を割くことが難しいからです。

コストを抑えるために学会員が編集できたとしても、作業に時間がかかり刊行頻度が落ちてしまう恐れがあります。学会員の負担を減らし、読みやすく手に取ってもらえる学会誌を出版するためにも、学会誌を専門に査読や編集サービスを用意している印刷業者を選びましょう

学会誌の電子ジャーナル化に対応している

学会の財政状況と規模から製本する部数を最低限にして、電子化して世界に公開したいと考えている人もいるでしょう。

学会誌の電子ジャーナル化は進んでおり、多くの学会誌が電子化されJ-stage(科学技術振興機構)などに掲載されています。

印刷会社の中には、学会誌の電子ジャーナル化を委託できる業者もあり、電子化の作業や掲載のサポートも依頼可能です。

学会誌の印刷と製本なら福田印刷にご相談ください

学会誌の印刷と製本なら創業50年、実績10,000件以上の学会誌や学術誌の印刷実績のある福田印刷にお任せください。

福田印刷では、印刷から製本まで外部に委託することなく自社で行うため、学会員の要望に合わせた柔軟な対応が可能です。

また学会誌の印刷だけでなく、査読管理や編集代行のサービスも請け負っているので、学会誌作成の負担を軽減できます。J-Stageへの掲載サポートも行っているので、電子ジャーナル化を検討している学会様もご相談ください。

福田印刷のサイトでは、無料でオンライン概算見積を受け付けています。依頼を検討したいけど、費用が気になる方は以下リンクからオンライン概算見積を利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

学会誌は学会から直接出版できますが、手間や時間、コストもかかるため出版社に委託しようと考えることもあるでしょう。しかしながら、契約内容によっては、学会が不利な扱いを受けるため自分で直接出版するのがおすすめです。

直接出版するときには、まず印刷会社を選びましょう。印刷会社を選ぶ際には、費用の安さだけでなく学会誌の印刷実績や査読や編集などのサービスがある会社を選びます。学術誌は商業誌のようにデザインを重視するのではなく、内容が正しいかどうかを重要視するからです。

印刷後に間違いを見つけてしまった場合、修正後に再印刷をしなければなりません。再印刷を何度も繰り返すとかえってコストが上がるため、印刷前に編集や査読を依頼できる印刷会社を選びましょう。

学会誌の製本におすすめのタイプは?綴じ方や仕様例を解説

学会誌の製本におすすめのタイプは?綴じ方や仕様例を解説

学会誌を作りたいと思っていても製本方法が分からず悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

学会誌には質感や耐久性を求める人が多く、業者に依頼するケースが多いです。

この記事では、学会誌におすすめの製本タイプや綴じ方、仕様のポイントをご紹介します。気になる費用についてもシミュレーションしているため、ぜひ参考にしてください。

学会誌におすすめの製本タイプ

学会誌におすすめの製本タイプ

そもそも製本とは、複数枚の紙をまとめて表紙をつけて本の状態にすることです。

学会誌におすすめの製本タイプは、2つあります。

  • 上製本(ハードカバー製本)
  • 並製本

それぞれどのような仕上がりになるのか確認しましょう。

上製本(ハードカバー製本)

上製本とは、厚いボール紙で本体をくるみ、本体を糸や接着剤で製本するタイプです。ハードカバー製本とも呼ばれ、ハードカバー書籍と言うとイメージしやすいかもしれません。

上製本の特徴は、本体のページよりもひとまわり大きいサイズの厚いボール紙でくるまれている点です。表紙や背表紙、裏表紙は2〜3mm程度の厚みで丈夫な作りとなっています。ひとまわり大きいサイズでくるむことで、本文を保護してくれます。

高級感のある見た目のため、学会誌の複数号や論文集、年に1度の研究報告書などでよく採用される製本タイプです。丈夫なつくりのため、長期保存に向いています。

並製本

並製本とは、表紙と本体と一緒に糸や接着剤、リング、針金などで簡易に製本するタイプです。ソフトカバーとも呼ばれ、雑誌や文庫本、パンフレット、新書などが該当します。

並製本の特徴は、表紙・背表紙・裏表紙が柔らかい点です。文庫本のように、持ち歩きたいときに重宝します。

また、並製本は低コストで作成できる点もメリットです。製本における工程が少ないため、コストや納期を抑えられます。そのため、学会誌の本誌や通常号の加工仕様など、大量に作りたい場合に向いている製本タイプです。

学会誌を綴じる方法

学会誌を綴じる方法

学会誌を綴じる方法は複数あります。どの方法を選択するかは、予算やページ数に合わせて決定するとよいでしょう。

ここでは、代表的な綴じ方についてご紹介します。

  • 無線綴じ
  • あじろ綴じ
  • 中綴じ
  • 平綴じ
  • 糸がかり綴じ
  • ミシン綴じ

それぞれの特徴を確認しましょう。

無線綴じ

無線綴じとは、接着剤でページを綴じる方法です。糸や針金を使わずに綴じるため「無線」といいます。

本体の背部分に接着剤をつけて、表紙でくるみます。ページ数の多い冊子でもきれいな仕上がりになるため、人気の綴じ方です。

ただし、背部分に接着剤がついているため180度で本を開くことはできません。本体に折り目をつけると180度で開けられます。

あじろ綴じ

あじろ綴じとは、本体の背中部分に切り込みを入れ、そこに接着剤を浸透させて接着させる方法です。切り込み部分に接着剤が浸透して背表紙と接着します。

無線綴じよりも強度が高く、紙面を広く使える点がポイントです。文庫本や漫画雑誌、カタログなどでよく採用されています。

中綴じ

中綴じとは、ページの中心でホチキス留めする方法です。本体を重ねてから中心部分で二つ折りにして、折った部分を針金で留めます。

見開き1ページが見やすく、見開きで画像や図表を見せたい時に最適です。ただし、本体を二つ折りにする必要があるため、ページ数の少ない学会誌に向いています。

平綴じ

平綴じとは、本体の背部分から5mm程度の位置でホッチキス留めする方法です。安価に製本できるため、学会誌ではよく採用されます。自作しやすいため、同人誌や企画書などでも採用されやすい綴じ方です。

ただし、裏表紙に針金が出てしまうため、周りを傷つける可能性があります。

糸がかり綴じ

糸がかり綴じとは、本体を複数のかたまりに分けて糸で綴じたあと、接着剤でページを合わせる方法です。丈夫な仕上がりとなるため、上製本をする際に多く用いられます。

長期保管したり、繰り返し使ったりする辞書にも採用されています。

ミシン綴じ

ミシン綴じとは、ページの中心をミシン糸で綴じる方法です。強度が高く、子どもが使う絵本や学習本に多く採用されています。

「中綴じミシン」「中ミシン綴じ」などとも呼ばれます。

学会誌の製本にかかる期間

学会誌の製本にかかる期間

学会誌の製本にかかる期間は、製本タイプによって異なります。以下の表で目安を確認しましょう。

製本タイプ期間の目安
上製本1〜2週間程度
並製本5日〜1週間程度

もちろん、依頼する印刷会社や学会誌の仕様、発注時期などによって納期は変動します。なかにはオプション料金を支払うことで納期を短縮してくれる印刷所もあります。

一方、繁忙期は上記の目安以上に印刷期間がかかる場合もあるため注意しましょう。とくに、2月3月は印刷所の繁忙期です。想定よりも納期が短い場合もあるため、余裕を持って製本依頼しましょう。

学会誌の製本に向いているおすすめの仕様

学会誌の製本に向いているおすすめの仕様

初めて学会誌の製本をする際、どのような仕様にすべきか悩むと思います。ここでは、学会誌に向いている製本仕様のポイントをご紹介します。

  • 入稿方法
  • 印刷方式
  • 表紙の紙質
  • 本文の紙質

順番に確認しましょう。

入稿方法

仕様ではありませんが、入稿方法にも選択肢があります。

コストを抑えるのであれば、データ入稿がおすすめです。エクセルやワードだとレイアウトが崩れやすいため、PDFでの入稿を選びましょう。

印刷所によっては、入稿方法が指定されている場合もあります。依頼前に、対応できる入稿方法であるかどうかを確認しておきましょう。

印刷方式

ページや部数が多いときはオフセット印刷、ページが少ないときはオンデマンド印刷を選びましょう。

オフセット印刷とは、「版」と呼ばれるプレートに印刷データを焼き付けて印刷する方法です。版につけられたインクをゴム製のローラーに転写し、そのローラーを紙に押し当てて印刷します。版の制作費用がかかりますが、1枚当たりの印刷コストは下がります。

一方、オンデマンド印刷とは、版を作らずデータを直接印刷機に送って印刷する方法です。必要な分だけを印刷できます。少ない部数をオフセット印刷すると割高になるため、注意しましょう。

表紙の紙質

高級感を出したいときはレザック、軽くてカラフルなデザインに仕上げたいときは色上質紙がおすすめです。

レザックは皮のような質感で、頑丈に仕上がります。論文集や記念誌、研究報告書などでよく採用されています。

一方、色上質紙は上質紙に色をつけた用紙です。サラサラとした触り心地で色展開が豊富にあります。文集やプログラムなどでよく採用されています。

本文の紙質

一般的に、学会誌では上質紙が選ばれます。白色度が高くメモもしやすいため、上質紙が好まれます。

学会誌の製本にかかる費用をシミュレーション

学会誌の製本にかかる費用をシミュレーション

学会誌の製本では、費用が気になる人が多いのではないでしょうか。学会誌の製本費用は、部数やページ数で異なるのはもちろん、刷り色や製本の方法によっても変わります。

弊社福田印刷で実際に請け負った学会誌の費用の具体例は以下のとおりです。

部数200部
ページ数96ページ
刷り色表紙:カラー本文:モノクロ
製本無線綴じ
費用135,000円(税抜)
部数     150部
ページ数104ページ
刷り色表紙:カラー本文:カラー・モノクロ混在
製本無線綴じ
費用376,000円(税抜)

上記金額は一例であり、条件によって費用が大幅に変更となる可能性があります。詳細が気になる人は以下より、一度無料見積り依頼をしてみてください。

学会誌の印刷・製本なら福田印刷にご相談ください

福田印刷は、学会誌・学術誌における印刷・製本における10,000件以上の実績があり、創業50年のノウハウやスキルを使って、安心できるサービスをご提供します。

印刷製造に関して、すべての工程を自社でワンストップ対応可能です。企画提案・内部校正にも対応しており、一貫してお任せいただけます。

ご相談・お見積りは無料です。ぜひ、お気軽にお問合せください。

まとめ

学会誌の製本は、上質な印象を持たせたいなら上製本、コストを抑えたいなら並製本を選びましょう。上製本なら1〜2週間程度、並製本なら5日〜1週間程度の納期がかかります。

専門業者に依頼するのであれば、仕上がりのイメージやコスト、納期を十分に検討して依頼しましょう

学会誌の印刷・製本の実績が豊富な福田印刷なら、企画・編集から製本までワンストップで相談にのります。まずはお気軽にご相談ください。

論文を印刷して製本する方法とは?費用を安くするポイントも解説

論文を印刷して製本する必要があるものの、具体的な方法がわからない人や、安くする方法を知りたい人もいるのではないでしょうか。

自分で印刷して製本まですると安価で済みますが、とてつもない手間がかかり、手先の器用さも問われます。一方で、専門業者に依頼する場合、コストの削減は工夫次第で可能なのです。

この記事では、論文を印刷して製本するまでの手順や、費用を安くするコツ、業者の選び方を紹介します。論文の印刷を早く安く美しく仕上げたい人は、ぜひ参考にしてください。

論文を印刷して製本する方法

複数の工程を経て冊子は完成します。したがって、論文を印刷して製本をする際にも、さまざまな選択をすることが必要です。

たとえばモノクロで印刷するなら、それに適した用紙を選ぶとよいでしょう。製本においても、厚手の表紙にして図鑑のように仕上げるか、もしくは文庫本のような軽量の冊子にすることも可能です。

まずは専門業者に依頼することを前提として、印刷の基礎知識を解説していきます。

原稿を作成する

原稿のデータは、論文の本文のみでなく、表紙や背表紙の分も準備しましょう。保存データの形式は、印刷会社の指定に従うと料金が割安になります。

原稿を作成する際は、製本や印刷を意識しながら余白を残してください。表紙の余白は上下左右に1cmずつ、本文には1.5〜2cmを確保すると、文字が切れることを防げます。

製本する際の綴じ方を決める

製本の方式は大別すると2種類あります。大学や研究室によっては、製本方法の指定があるかもしれないので、確認を怠らないでください。

まずは割安かつ短期間で仕上がる製本、次に高品質で耐久性の高い方法についてお伝えします。

くるみ製本

くるみ製本とは、本文用紙を折り重ねて厚紙でくるみ、背の部分を接着剤で固定する方式です。文庫本をイメージしていただくと、わかりやすいのではないでしょうか。

くるみ製本は、安価なわりにしっかりと製本できる方法です。大量のページ数にも対応できて、背表紙を作ることもできます。ただし、これから紹介する上製本と比較すると耐久性は欠けるでしょう。

上製本

上製本とは、段ボールのような厚紙を表紙にして、さらに見返しの部分にも加工をする方式です。辞書や図鑑のような重厚感のある冊子が該当します。

くるみ製本よりも頑丈で高級感がありますが、より高額になります。また、製本の工程が複雑になるため、納期が伸びることを想定しておいてください。

表紙と本文に使用する紙を決める

製本の方式を決めた時点で、使用できる紙の選択肢も絞られてきます。

たとえば上製本にするなら、表紙は厚手で固い紙を使うことになるでしょう。くるみ製本にする場合は、本文よりも倍以上の厚手の紙を表紙にすると、めくりやすくなります。

ここからは、論文の製本に向いている用紙をピックアップして、それらの特徴もお伝えします。

表紙はレザック紙が人気

並製本の表紙はわりと選択肢が多い部類です。論文の伝統的な表紙といえば、やはりレザック紙ではないでしょうか。

レザック紙は革のような風合いで、カラーバリエーションも豊富です。シンプルにタイトルを印刷しただけでも高級感が生まれ、冊子の耐久性も向上します。

本文は上質紙を使うのが一般的

論文の本文部分は、上質紙が最もよく選ばれています。安価な部類で、文字を書き込みやすいという性質もあるため、論文の印刷に適しているといえるでしょう。

淡いクリーム色の書籍用紙も、論文の本文用紙の定番です。上質紙と比較すると、文字と紙の色のコントラストが強すぎないため、目が疲れにくいとされています。

もしカラー印刷部分を鮮明に表示したいなら、コート紙やマットコート紙を選ぶことも検討しましょう。写真の印刷にも耐え得るほどですが、上質紙よりも値段は高くなります。

論文データを印刷会社に入稿する

製本の方式を選択し、原稿に余白の設定をしたら、印刷会社へデータを送付してください。印刷会社は、受領したデータを印刷機仕様のデータへと変換します。

画像の解像度やフォントの崩れなどがチェックされ、問題があれば印刷前に指摘されるでしょう。

論文の印刷と製本を安くするポイント

論文を自分で印刷し製本するなら、業者に依頼するよりも安くなる可能性はあります。印刷する量によっては、即日で製本まで完成する場合も。

一方で、業者に依頼する場合でもコツさえつかめば、費用を大幅に削減することができます。追加料金を請求されるケースも知っておくと、想定外の出費を避けられるでしょう。

それでは、論文の印刷と製本を安くするための具体策を紹介します。

自分で印刷や製本をする

論文の印刷や製本を安くするために、自分でできることをやる人はいます。どこまで自力で行うかは、下記の2パターンが考えられます。

・印刷は自分でやって、製本を業者に依頼する
・印刷は自力で、製本もキットを使って自分で解決する

手先の器用な人ならば、見栄えの悪くない製本ができるようです。ただし、手間や時間がかかることは覚悟しておいてください。

業者指定の方式でデータ作成する

入稿されたデータに手直しの必要がなければ、データを変換する料金が最安になります。 逆に、手直しが増えるほど費用もかさむと認識してください。

業者がPDFでの入稿を推奨していたり、余白を指定しているなら、従うほど印刷代も節約できます。

納期に余裕を持ち繁忙期を避ける

論文の印刷にかかる日数は、データ入稿から最短で3日から、長くても10日が目安とされています。納期に余裕を持って発注をすると、単価が割り引かれることもあるようです。

しかし、印刷会社への注文が殺到する時期は、希望する日程での予約が取りにくくなります。追加料金で特急仕上げをする業者もありますが、割高になることは避けられません。

予算に限りがあるなら、なおさら納期に余裕を持たせることをおすすめします。

論文を印刷する専門業者の選び方

論文の印刷を専門業者に依頼すると、確実に手間を省くことができます。すべてお任せで、丸投げすら可能なほどです。

さらに、匠の仕上がりで圧倒的に綺麗な冊子になったり、仕様について細やかな注文を出せたりと、メリットはたくさん挙げられます。

ここからは、成功する印刷会社選びのポイントをお伝えしましょう。

納期と部数に対応している

論文を執筆している時点では、いつ完了するか、確実な予測はできないかもしれません。しかし、論文の締切間際は予約が混み合う傾向にあります。

製本された論文を希望日までに受け取るには、前もっての予約が確実です。予約を取るのが遅くなった場合は、迅速な仕上がりを優先して、業者を選ぶとよいでしょう。

また、印刷物の最小発行部数が設定されているケースも珍しくありません。想定している部数を印刷できるか、部数やスケジュールによる追加料金についても、事前に確認してください。

両面印刷やカラー印刷に対応しているか確認する

冊子の印刷は両面がスタンダードですが、論文印刷は片面を指定されることも珍しくありません。したがって、提出先の規定と印刷会社の設備の両方をチェックしてください。

モノクロ印刷は、カラー印刷よりも低価格になるのが一般的です。しかし、論文によっては、カラーの図表を挿入することもあるでしょう。

数点の図表のためにすべてをカラー印刷にするか、はたまたカラーとモノクロ印刷を混ぜる、両方に対応している印刷会社もあります。

論文のオプション加工ができる

製本した論文の耐久性を高めたかったり、装丁に凝りたかったりするなら、オプション加工はいかがでしょう。

たとえばPP加工とは、透明なフィルムを表紙に貼る加工です。この加工を表紙に施すと、光沢が増して見栄えがよくなり、さらに用紙を補強する効果もあります。

ページ数が多い冊子なら、章ごとにカラーの扉ページを入れると、検索しやすくなるでしょう。ぺージ番号をふるインデックス加工も、より扱いやすくなるのでおすすめです。

なお、オプション加工には追加料金がかかり、納期が伸びることも懸念されます。印刷会社によってサービス内容も費用も異なるため、入念な打ち合わせをしてください。

論文の印刷と製本のことなら福田印刷にご相談ください

福田印刷は、論文や学会誌、学術誌の印刷において10,000件以上の実績を積んできました。蓄積しているノウハウによって、大学論文の企画提案から対応可能です。

内部校正も行なっており、正しい表示とレイアウトには自信があります。英語や中国語、韓国語などの編集もおまかせください。

自社で企画から編集、​​校正、印刷、製本までがほぼワンストップで完結します。ゆえにお客様のお手間を取らせることなく、複雑なご要望にもお応えできるのです。

相談や見積もりは無料なので、ぜひお気軽にご連絡くださいませ。

まとめ

論文の印刷と製本は、割安で短期間に作成するならくるみ製本、耐久性を高め重厚に仕上げるなら上製本が適しています。

専門業者に依頼をする場合、費用を抑えるポイントは、まずデータの手直しを減らすことです。業者の推奨するデータ形式で入稿し、レイアウトの修正を減らすほど安価になるでしょう。

追加料金の発生を防ぐには、納期に余裕を持って発注することをおすすめします。論文の印刷と製本に必要な日数は、入稿から3日から10日が目安ですが、繁忙期は予約が取れない恐れもあるのです。

論文の印刷と製本の実績がある業者は、さまざまな選択肢から顧客のニーズに合う提案をします。まずはアドバイスを求めてみてはいかがでしょうか。

学会誌や学術誌の印刷価格は?印刷の流れや会社選びのポイントを解説

学会誌を作成するにあたって、何から手をつけるべきかわからない人や、手間や費用を省く方法を知りたい人もいるのではないでしょうか。

印刷の仕組みと価格設定を知ることで、費用をかけるべき箇所が明確になります。たとえば少量の印刷のほうが単価が安くなる方法もあれば、ページ数が少ない冊子に向いている用紙や製本方式など、さまざまな印刷方法があるからです。

この記事では、学会誌や学術誌の価格が構成される要素や、冊子の価値を上げたり関係者の手間を省いたりする方法、印刷の流れについて紹介します。発行を予定している人は、ぜひ参考にしてください。

学会誌や学術誌の印刷価格が構成される要素

学会誌の印刷価格は、作業量や品質に左右されます。高額な用紙を使ったり、加工の手間がかかれば、印刷価格も高額になりがちです。

また、大量に注文するほど単価も安くなるのが一般的です。一方で、少量のオーダーの方が安価で済む印刷方法もあり、知っておくと役に立つかもしれません。

学会誌や学術誌の印刷価格が構成される要素について解説します。

編集代

学会誌や学術誌を作成する際には、原稿から書籍にするための編集作業が欠かせません。編集作業の難易度や量によって、価格も変動します。

たとえば、修正の必要がない原稿データを印刷会社へ渡すとしましょう。この場合は、印刷機向けのデータに変換するだけで刷ることできるため、編集代も安くなります。

しかし一般的には、書籍全体に統一感を与えるための編集作業が、専門家によって行われるケースが多いです。レイアウトを変更したり、引用文献の体裁を整えたりなど、編集工程が増えるほど手間賃も増加するでしょう。

用紙代

学会誌や学術誌を印刷する場合は、用紙代もかかります。用紙代は1ページ単位ではなく、まとまったページを1枚として計算する会社もあるため、事前に確認が必要です。

加工が施されていて見栄えがする用紙は、高価な傾向にあります。加工のない上質紙は安価ですが、厚みが増すほど値段も上がると認識しておいてください。

また、際立たせたい特徴によって、適している用紙も異なります。まずは表紙に向いている用紙からチェックしていきましょう。

表紙

表紙にフルカラーの写真やイラストを用いるか否かで、費用が異なります。フルカラー印刷をするなら、コート紙やマットコート紙など、発色が鮮明な用紙を選びましょう。

表紙の画質にこだわりがなければ、上質紙が割安です。模様が型押しされたレザック紙を表紙にすると、高級感が生まれますが割高になります。それぞれの用紙の特徴を、下記にまとめてみました。

上質紙・厚みの選択肢があり、カラーバリエーションも豊富
・表紙向きの用紙のなかでは安価な部類
コート紙・フルカラー印刷に最適の用紙で、写真やイラストを鮮やかに刷ることができる
・表面にコーティングが施されており、つややかでツルツルしている
・文字の書き込みには向かない
マットコート紙・コート紙と同様に、画像や色味を鮮やかに再現することができる
・コート紙よりもつやが抑えられているため、光の反射の影響を受けにくい
レザック紙・皮のような質感があり耐久性も高い
・表紙にイラストや写真を配置しなくても、格式ある雰囲気を出せる

中身

学会誌や学術誌の印刷代は、中身の紙の種類によっても変わります。厚手だったり加工されていたりする紙は割高になるように、用紙には価格差があるからです。

モノクロ印刷なら上質紙、カラー印刷部分を際立たせるならコート紙をおすすめします。中身部分の印刷に向いている用紙については、以下を参照してください。

上質紙・書籍の印刷では定番の用紙で、かつ安価な部類
・表面に加工がされていないので、文字の書き込みに向いている
・写真をカラー印刷すると不鮮明になりがち
コート紙
マットコート紙
・紙の表面がコーティング加工されている
・コート紙は光沢があり、マット紙は光沢が少なめ
・写真やイラストの表現力に優れている
書籍用紙・淡いクリーム色の用紙で、目にやさしく疲れにくい
・カラー印刷の発色は不鮮明になりがちで、文字の印刷に向いている

なお、中身用の紙を選ぶ際には、ページ数による制限があるため注意が必要です。ページ数が増えるほど書籍も厚くなるため、中身の用紙は薄めにするとよいでしょう。一方で、ページ数が少ない冊子は、薄い用紙を用いると本の仕上がりが貧相になりがちです。

印刷代

学会誌や学術誌の印刷をする際は、2種類の印刷方式から選ぶことになるでしょう。部数が少なければオンデマンド印刷が安く、部数が多いほどオフセット印刷が割安になると言われています。

ただし、印刷会社の料金設定によっては、総額に差がつきにくいようです。ここでは印刷方式の特徴を捉えて、実際の費用については印刷会社に確認してください。

モノクロ印刷とカラー印刷

一般的には、モノクロ印刷のほうがカラー印刷と比較して割安な傾向にあります。

学会誌は文字が多いため、わざわざカラーにしなくてもよいだろうと、モノクロ印刷を選択する人も多いです。しかし、モノクロ印刷に統一することで、図解や写真が見えにくくなる可能性があり、内容によってはカラー印刷のほうがよい場合もあります。

学会誌や学術誌のなかに図やグラフがある場合は、その箇所だけカラー印刷を使用する方法がおすすめです。一部だけをカラー印刷にすることで、印刷費用を抑えることができます。

オンデマンド印刷

オンデマンド印刷とは、デジタル印刷機によって印刷する方式です。印刷用のデータさえあれば刷ることができるため、オフセット印刷よりも短期間で仕上がります。モノクロページとカラーページの混在など、融通が効きやすい点がメリットです。

一方で、オンデマンド印刷は少ない部数を想定した印刷方式であるため、大量に印刷をするほどコストもかさんでしまいます。またカラー印刷の質は、これから紹介するオフセット印刷より劣る点も理解が必要です。

オフセット印刷

オフセット印刷とは、版を用いた印刷方式です。印刷前に製版の作業があるため、オンデマンド印刷より時間はかかりますが、その分仕上がりの精細さは優れています

オフセットは大部数や大量の印刷に向いている印刷方式です。したがって、少ない部数の印刷をすると、オンデマンドより単価が高額になることが懸念されます。

製本代

製本は、表紙の厚さや背表紙の有無などの方式によって、費用も変動します。工程が複雑で頑丈な仕上がりになる製本方式は、より高額になるでしょう。また、本の厚さごとに、適した綴じ方があります。

印刷会社によって対応できる製本方法は異なり、場合によっては定義に差があるかもしれません。ここでは並製本と上製本という2種類の方法について、概要を解説します。

並製本

並製本は、文庫本や雑誌に採用されており、やわらかい表紙の冊子になります。上製本と比較すると、表紙の制作工程が少ない分安価となっており、針金で綴じるとさらに安くすることが可能です。

並製本の代表的な綴じ方と、それらの特徴については、下記の表をご参照ください。

中綴じ・本文の用紙を二つに折り、中心を針金で留める方式
・大量でも短期間で仕上がり、安価な部類
・ページ数が多すぎると綴じられなくなる
・背表紙はない
平綴じ・本の背から5ミリほど内側を針金で留める方式
・ページ数が多くなっても、針金の種類を変えれば綴じることができる
・中綴じより納期が伸びる傾向にある
・背表紙をつけることができる
無線綴じ・本文部分を折り重ね、表紙でくるみ、背表紙に糊を付けて綴じる方式
・ページ数が少ないと選択できない
・中綴じよりは費用も納期もかかる
・背表紙は必然的に存在する

なお、無線綴じは、並製本だけでなく上製本でも見かけます。

上製本

上製本は、分厚く厚く折れない紙が表紙になっており、図鑑に採用されている方式です。並製本より耐久性が高いため、より長期の保存に適しています

上製本の代表的な綴じ方は、糸かがり綴じです。本文の用紙を糸で縫って綴じて、背表紙は糊付けをします。ページ数に制限がなく分厚い本でも製本できる反面、並製本よりも高額で納期も長くなるでしょう。

なお、ページ数が少なめの本を縫って綴じる場合は、ミシン綴じという選択肢もあります。

配送代

印刷が済んだ学会誌を発送するとして、1箇所のみに送る場合、送料は実費程度になるのが一般的です。複数の拠点に送るなら、送料だけでなく、梱包代もかさむことが予想されます。

発送先が増えるほど、封入作業もより手間がかかります。資料を同封したり宛名を記載したりするなら、さらに手間が増えることも予測できるでしょう。

細かい発送を自分で行えば費用が節約できますし、依頼をすれば手間から解放されます。

学会誌や学術誌の印刷で利用可能なオプションサービス

学会誌や学術誌の印刷を行う場合は、電子化やブックカバーの作成などのオプションサービスが利用可能です。オプションサービスを利用すると、学会誌の価値を上げたり、関係者の手間を省いたりすることができます。

当然ですが、オプション分の費用は増加します。どのようなサービスが存在するのかを知ることで、費用を節約するヒントにもなるのではないでしょうか。

それでは、学会誌や学術誌の印刷におすすめのオプションサービスをご紹介いたします。

電子化

作成した学会誌や学術紙をWEB上に公開すると、検索からのアクセスが期待できます。関係者以外が触れる機会も増加するはずです。

昨今は紙媒体だけでなく、電子ジャーナルで学会誌を発表する団体も増加しています。利用されるプラットフォームは、J-Stageや国立情報学研究所電子図書館事業(NII-ELS)が代表的です。

学術誌の電子化はもちろんのこと、プラットフォームへの登録を支援する業者もいます。これらの作業に苦手意識があるなら、相談してみてはいかがでしょう。

データの入稿形態

データの入稿形態は、さまざまな方法があります。

極端な例を挙げると、紙に手書きの原稿からでも、デジタル化して学会誌を作成することは可能です。ただし、デジタル化するための手間賃は高額になるでしょう。

ExcelやWordなどのデータで入稿すると、印刷会社によってはデータが崩れるかもしれません。それを修正するには、時間と労力分のコストがかかることが予想されます。

印刷会社が指定する方式で入稿することで、データを変換するための費用を削減できます。一般的にはPDFが推奨されているようですが、詳しくは印刷会社にて確認してください。

ブックカバーの作成や特殊加工

オプションサービスには、ブックカバーの作成や特殊加工もあります。刷り上がった印刷物に加工を重ねることで、質が向上し、オリジナリティを際立たせることも可能です。

箔押しという加工は、カラー印刷では表現しきれない箔の色と質感によって、高級感をかもしだせます。PP加工とは、アクリル樹脂やニスを紙に圧着させる技術で、見た目のよさだけでなく劣化を遅らせることもできるのです。

ただし、製本によっては対応が分かれるオプションもあるので、注意してください。

ブックカバーを作成すると、汚れ防止になり保存性も高まります。ただしブックカバーを付けられない製本方法もあり、その場合は表紙にPP加工をすることで、近い効果が期待できます。

オリジナルの封筒やチラシ作成

学会誌や学術誌の印刷だけでなく、封筒やチラシの作成も併せてオーダーできる業者もあります。ひとつの業者に任せることで、統一感が生まれ、発注の手間を省くこともできるでしょう。

論文の印刷や、ポスター、参加証や名札など、学会関連の印刷物があるなら、ついでに相談してみてはいかがですか。

学会誌・学術誌の印刷をする流れ

学会誌や学術誌を印刷する流れや注意点について、解説していきます。全体像を把握しておくことで、印刷会社とのやりとりもスムーズになるのではないでしょうか。

ここでは大まかな流れとポイントについて言及します。各作業の詳細が知りたい人は、記事の冒頭に戻って確認してください。

データ作成

手元の原稿を、印刷会社に渡すためのデータにします。冊子にすることを想定したデータ作成をしないと、のちに修正箇所が増えるでしょう。

まず、印刷会社がファイル形式を指定しているなら、それに従うと費用は安くなります。一般的にはPDFが望ましいようです。

また、綴じ方に応じたレイアウトを選択してください。無線綴じを採用したなら、表紙だけでなく背表紙のデータも必要になります。

余白も考慮すべきポイントです。たとえば文章が多いデータは、余白を仕上がりのサイズから上下左右に15mmずつ確保すると、読みやすい冊子になるでしょう。また、綴じる部分からの余白も作ることで、文字が読みにくくなることも避けられます。 

入稿

印刷会社は、入稿されたデータを印刷機に適したデータに変換していきます。

ここで気をつけないといけないのは、画像の画質です。パソコンのモニタでは問題なく見られたとしても、印刷物になると、ぼやけることが珍しくありません。これは解像度の低さが原因のため、350dpi以上の画像を使用するとよいでしょう。

入稿して仕様の擦り合わせが完了すると、いよいよ学会誌の印刷が開始されます。

出稿・校正

印刷物として刷り上がったものを見て、内容物や色味、画質などをチェックします。

提出した原稿と、仕上がってきた誌面を見比べて、間違いがないかを念入りに確認しましょう。なお、この校正の回数によっても価格が変動します。

納品

校正が完了すると製品が製造されます。製品が完成したら、納品するために梱包が行われるでしょう。この作業の量や納品先の数によって、納品までの日数や費用にも差が生まれます

学会誌や学術誌を依頼する会社の選び方

学会誌の印刷を依頼するなら、費用と質のどちらを優先するかの選択をして、目的に合う業者を選ぶことになるでしょう。

費用と目的以外にも、着目すべきポイントがあります。具体例を見ていきましょう。

納期が早いか確認する

まずは、依頼から納品まで、どれくらいの期間になるかを確認してください。オーダーが集中してしまうと、なかなか印刷機のスケジュールが空きません。

データの入稿から印刷、製本までを一貫して担う業者は、納期も早い傾向にあります。ただし、発注時期によっては時間がかかることもあるでしょう。

追加料金で納期を短縮できる可能性はあります。しかし高額になるため、余裕をもって発注することをおすすめしたいです。

学会誌に合うレイアウトとデザインがある

学会誌に適したレイアウトやデザインというものが存在します。これを考慮しないと、何の本かわかりにくくなってしまうため、注意が必要です。

商業誌と学会誌では、求められるデザインが異なります印刷会社のデザイン事例をチェックすると、その会社の志向を知ることができるでしょう。

会社実績が豊富である

学会誌や学術誌は、一般紙にはない仕様になることが予想されます。したがって、学会誌を作成した経験が豊富な業者の方が、よりスムーズに進行できるでしょう。

たとえば理系の学会誌は、数式や特殊な表記など、データを落とし込むだけでは済まない手間がかかります。抄録集とは何かを理解してもらえないと、印刷が進まない恐れもあるのです。

いくら印刷代や製本代が安く済んだとしても、打ち合わせの労力がかさんでしまうと、結果として割安感はなくなります。したがって、学会誌を作成した経験の有無は、見逃せないポイントといえるでしょう。

学会誌・学術誌の印刷は福田印刷にすべてお任せください!

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まとめ

学会誌や学術誌の印刷価格は、業者の作業量や用紙の選択によって左右されます。

仕上がりを想定してレイアウトを作成し、推奨されているデータ形式で入稿すると、費用を抑えることができます。一方で、手書きの原稿であっても、編集費用を支払えば冊子にすることが可能です。

また、大量に印刷するならオフセット形式、少量の印刷ならオンデマンド形式が単価が安くなる傾向にあります。

できるかぎり節約して学会誌を作成するか、多少は料金が上がっても高級感のある冊子にするか、どれだけ手間を減らすかによって、さまざまな選択肢があります。

まずは、学会誌や学術誌の作成に長けている業者へ相談してはいかがでしょう。